現在、「smart internship」という企業の問題を解決するインターンに参加している。
そこで学んだ、デザインシンキングという思考法が興味深かったので記録する。
また、自分の研究に当てはめて考えることで、研究の意味を改めて見つめ直すきっかけにしたい。
問題を正しく解決するための思考法のこと。
ダブルダイヤモンドとは問題発見からその問題を解決するまでの思考法を二つのダイヤモンドに見立てたものである。
上記の図からわかるように、ダブルダイアモンドは2つのダイアモンドと4つのステップから構成される。
一つ目のダイアモンドは問題発見の機会を示している。
まず、ある一つのテーマから考えられる問題を、ありとあらゆる方面から洗い出す。
実際に私がインターンシップに向けたトレーニングでテーマとしたのは、町の騒音問題だった。
そこから、問題を広げていく方法がいくつかある。
問題があるということは、その問題に直面している人・組織が存在するはずである。
それを正しく理解することで問題の大きさを把握することができる。
そこで、ステークホルダーマップを作成する。
先ほど、私が挙げた騒音問題で言うと、問題に近く・解決したいグループ(つまり中心部の円の左側)に位置するのは小さな子供がいる家族などが当てはまる。
一方でその反対(中心部の円の右側)に当てはまるのは路面に店を構えたバーのオーナーやクラブの経営者などが当てはまるだろう。
このように、問題に関わる全ての人を挙げていくことで問題解決の機会を創出することができる。
①では問題を広げた。一つ目のダイアモンドが広がって、次は問題を絞っていくステップに入る。
そこで使われる思考法が、すでにみなさんお馴染みの共感マップ(customer insights)と、value proposition canvasの作成である。
①で挙げたステークホルダーから一つ選び、その人(組織)の立場に立って、問題を見つめる。
すると、様々な視点からその問題に触れることができる。(→問題解決のための機会の創出)
この時点では、問題解決の対象(customer)は絞られたが、まだどの問題を解決するかははっきりしていない。
そこで、value proposition canvas を利用してcustomerが抱えるどの問題を解決するのか絞っていく。
上記の図の緑の正方形が問題を解決する側(つまり自分視点)で、右の円がカスタマーである。
共感マップから、カスタマーの感情を3つに分ける。
一つ目はGains。つまり、この問題からカスタマーが受けている恩恵(価値など)である。
二つ目はPains。つまり、この問題からカスタマーが受けている痛み(苦痛など)である。
三つ目がCustomer job。つまり、この問題に対し、カスタマーが日常的に行っている行為のことである。
一方緑の正方形では、カスタマーが持つこれらの感情に対し、それぞれどのような対応が起こり得るかを挙げていく。
この緑の正方形の中身も、企業・地方自治体など主語により変化する。
以上のステップを踏まえて、一つ目のダイヤモンドが完成する。
①、②を完成させたら、問題をこの文章にまとめる。
1)How might we----------
2)the-------------------------
3)for--------------------------
4)in order to---------------
この文章を日本語にすると、
1)私たちはどうすればーーーーーーできるだろうか
2)ーーーーーーを・の(対象)
3)ーーーーーー(誰の)ために
4)ーーーーーー(目的)のために
ー例文ー
1)How might we solve (私たちはどうすれば解決できるだろうか)
2)the noise problem in bar street (繁華街の騒音問題を)
3)for the family (小さい子供がいる家族のために)
4)in order to sleep well (快適な睡眠のために)
問題発見のトレーニングで特にメンターが何度も言っていたことは、「機会の創出」であった。
問題発見の段階では、解決策を見出すのではなく、その問題をとことん突き詰める必要がある。
話し合いを進めてくうちに、自然と解決策を見出したくなり、話がそれてしまうことがあった。
問題を見つけて、正しい解決策を導くためにはその問題としっかり向き合うことが大切である。
一つ目のダイヤモンドで問題をはっきりさせたら(問題を一つに絞る)、次は二つ目のダイヤモンドに入る。
問題解決も基本的には問題発見と同じ要領で行なっていく。
まずは問題解決につながるありったけのアイデアを出す。
アイデアの出し方として私がインターンシップのトレーニングで行なったのは以下の方法だ。
まず、絵が描かれたカードを見て、何が描かれているか、紙に書いていく。
そしてその絵から連想して問題解決につながるアイデアを導く。
この際、とにかく数多くのアイデアを出すことが非常に重要であり、そのアイデアに現実味がなくても構わない。
ある程度、アイデアが出たら(トレーニングの際は10分間で20個以上のアイデアを出した)
その中から一番良いアイデアをレゴを使って実際に形にしていく。
※上記の写真についての説明は省略しますが、一応防音対策装置です。。。
レゴを手にしたのは15年以上ぶりだったが、実際に手を動かして考えてみることも大切だと思った。
まず、一番大切なことはとにかくアイデアを出しまくるということだ。
何か思い浮かんだら、自分の中で閉じ込めずに書いて見たり、グループで話し合う。
すると、自分だけで考えていた時はちっぽけだと思っていたアイデアが意外にみんなの力で良いアイデアになったりもする。
もちろんボツになるものの方が多いわけだが、それに屈せずアイデアを出し続けることが大切だと実感した。
また、アイデアからプロトタイプを作成することの重要性も実感した。
今回はレゴでプロトタイプを作成したが、ものづくり班のみんなは、実際に自分のアイデアを形にできるスキルがあって羨ましいと思った。
随分と長くなってしまったが、デザインシンキングはどんなことにも応用できると感じた。
例えば私の研究。問題意識として持っているのは、真似と流行の関係性である。
この中から問題としてあげられるのは、服装が被って不快に思うことだったり、
憧れのモデルと同じバッグを持って快感を得たりすることだ。
これは私が持っている問題意識のほんの一部でしかない。
現在、私の研究の進捗状況はまだ問題を探しているという段階である。
今回、たまたま参加したインターンのトレーニングでデザインシンキングという考え方を学び、
道用先生が日頃から言っていた、すぐに解決に走ろうとせずに問題を見つめるということが自分の中で繋がって嬉しかった。
非常にためになったトレーニングだったので、そこで学んだことを記録として残しておく。